『Apex Legends』などの競技性の高いゲームでは、高フレームレートと低遅延の環境を整えることが重要です。特にバトルロイヤルゲームでは、広大なマップに存在するオブジェクトやグラフィックの処理に多くのリソースを割きます。そのため、ビデオ設定の最適化を行い、ゲームの軽量化と安定性の向上がパフォーマンスを高める最善の方法です。
このガイドでは、『Apex Legends』のパフォーマンスを向上させるためのビデオ設定について解説します。各設定の詳細、グラフィックの変化、ベンチマークテストの結果を基に、最適な推奨設定をご紹介します。
動作環境
| 必要動作環境 | 推奨動作環境 | |
|---|---|---|
| OS | 64ビット版Windows 10 | 64ビット版Windows 10 |
| CPU | Intel Core i3-6300 3.8GHz / AMD FX-4350 4.2GHz | Intel i5 3570Tおよび同等品 |
| RAM | 6GB | 8GB |
| GPU | NVIDIA GeForce GT 640 / Radeon HD 7730 | Nvidia GeForce GTX 970 / AMD Radeon R9 290 |
| GPU RAM | 1GB | 8GB |
| ストレージ | 75GB以上の空き容量 | 75GB以上の空き容量 |
推奨設定
| 設定 | 推奨 |
|---|---|
| 画像モード | フルスクリーン |
| 縦横比 | 16:9 (ネイティブ) |
| 解像度 | 1980×1080 (ネイティブ) |
| 明るさ | 好み |
| 視野(FOV) | 好み |
| FOVアビリティ・スケーリング | 無効 |
| スプリント時の視点のゆれ | 小 |
| 垂直同期 | 無効 |
| NVIDIA Reflex | 有効+ブースト |
| 解像度適応の目標fps | 0 |
| 適応型スーパーサンプリング | 無効 |
| アンチエイリアス | なし |
| テクスチャストリーミング割り当て | GPUのVRAMに合わせる |
| テクスチャフィルタリング | バイリニア〜異方性2x |
| アンビエントオクルージョン品質 | 無効 |
| サンシャドウ範囲 | 低 |
| サンシャドウディテール | 低 |
| スポットシャドウディテール | 無効 |
| 空間光 | 無効 |
| ダイナミックスポットシャドウ | 無効 |
| モデルディテール | 低 |
| マップ詳細 | 低 |
| エフェクトディテール | 低 |
| 衝撃マーク | 無効 |
| ラグドール | 低 |
グラフィック設定
グラフィック設定の概要、推奨設定、グラフィックの変化、ベンチマークテストによるフレームレートの変化を詳しく解説しています。
測定条件
- 対象マップ:ワールズエッジ、オリンパス、ストームポイント
- 測定場所:マップのランダムな位置
- フレームレート:1マップの平均値
テスト環境
- CPU:11th Gen Intel Core i7-11700 @ 2.50 GHz
- RAM:16GB
- GPU:NVIDIA GeForce RTX 3060
※ベンチーマークテストの結果は、環境や条件によって異なります。参考値としてお考えください。
アンチエイリアス
アンチエイリアスは、オブジェクトの輪郭に発生するジャギー(ギザギザ)を滑らかにする機能です。
- なし:アンチエイリアスを無効にします。見た目は悪くなりますが、オブジェクトの境界が鮮明になります。
- TSAA:ジャギーを補正します。ただし、画面のぼやけ、モーションブラー(残像)が発生する場合があります。
この設定は好みが分かれます。パフォーマンスを優先する場合は「なし」を、グラフィックを優先する場合は「TSAA」を選択してください。
| 設定 | 減少率 | 推奨 |
|---|---|---|
| なし | 0% | ◎ |
| TSAA | -4% | ◯ |
テクスチャストリーミング割り当て
テクスチャストリーミング割り当ては、VRAM(GPU)を活用してテクスチャを効率的に読み込む機能です。これにより、テクスチャの読み込まれる範囲と速度が変わります。
この設定は、お使いのVRAM(GPU)に合わせてください。適切に設定されてる場合、フレームレートに影響を与えません。
- 低すぎる設定:高解像度のテクスチャを読み込む範囲が狭まり、読み込みが遅くなります。
- 高すぎる設定:ゲームがカクついたり、エラーが発生することがあります。
- 「なし」を選ぶと、高解像度のテクスチャを読み込まなくなります。
| 設定 | 減少率 | 推奨 |
|---|---|---|
| なし | 0% | – |
| 最低 | -4% | ◯ |
| 低 | -4% | ◯ |
| 中 | -4% | ◯ |
| 高 | -4% | ◯ |
| 最高 | -4% | ◯ |
| 極 | -4% | ◯ |
テクスチャフィルタリング
テクスチャフィルタリングは、テクスチャに適用するフィルタリングを設定します。主に、遠くの地面や壁など、プレイヤーの視点から角度のついたテクスチャの描写に影響します。
「等方性(バイリニア / トライリニア)」は、視点から正面のテクスチャは綺麗に描写されますが、角度のついたテクスチャにはぼやけが生じます。「異方性」は、視点から角度のついたテクスチャも比較的綺麗に描写され、設定レベルに応じて詳細度が上がります。
この設定は「バイリニア」と「トライリニア」のどちらかを推奨します。テクスチャのぼやけが気になる場合は、「異方性2x」を選択してください。
| 設定 | 減少率 | 推奨 |
|---|---|---|
| バイリニア | 0% | ◎ |
| トライリニア | 0% | ◎ |
| 異方性2x | -2% | ◯ |
| 異方性4x | -4% | – |
| 異方性8x | -5% | – |
| 異方性16x | -5% | – |
アンビエントオクルージョン品質
アンビエントオクルージョン品質は、オブジェクトが隣接した際にできる陰影とその濃さを調整します。
この設定は、各設定の中で最も負荷が高いです。GPUの使用率が大幅に上がるためパフォーマンスが著しく低下します。重要性は低いため「無効」を推奨します。
| 設定 | 減少率 | 推奨 |
|---|---|---|
| 無効 | 0% | ◎ |
| 低 | -4% | – |
| 中 | -6% | – |
| 高 | -19% | – |
サンシャドウ範囲
サンシャドウ範囲は、太陽光による影の範囲を調整します。
画像を比較すると分かるとおり僅かな変化しかありません。パフォーマンスを向上させるため「低」を推奨します。
| 設定 | 減少率 | 推奨 |
|---|---|---|
| 低 | 0% | ◎ |
| 高 | -3% | – |
サンシャドウディテール
サンシャドウディテールは、太陽光による影の詳細度を調整します。
影が鮮明になりリアリティが向上しますが、フレームレートが大幅に低下するため「低」を推奨します。
| 設定 | 減少率 | 推奨 |
|---|---|---|
| 低 | 0% | ◎ |
| 高 | -6.5% | – |
スポットシャドウディテール
スポットシャドウディテールは、人工光による影の生成と濃さを調整します。主に建物内の照明による影に影響します。
フレームレートは1%程度しか低下しませんが、必要性がないため「無効」を推奨します。
| 設定 | 減少率 | 推奨 |
|---|---|---|
| 無効 | 0% | ◎ |
| 低 | -1% | – |
| 高 | -1% | – |
| 最高 | -1% | – |
空間光
空間光は、太陽光による空間に広がる光量を調整します。
「無効」は標準的な明るさ、「有効」は白飛びしたような明るさになります。視認性を考慮して「無効」を推奨します。
| 設定 | 減少率 | 推奨 |
|---|---|---|
| 無効 | 0% | ◎ |
| 有効 | -2% | – |
ダイナミックスポットシャドウ

無効

スポットシャドウディテール+ダイナミックスポットシャドウ
ダイナミックスポットシャドウは、動的なスポットライトの有無を設定します。主にフィールド上、ホーム画面、キャラクターピック画面のキャラクターの影に影響します。
この設定は、スポットシャドウディテールを有効にした場合にのみ反映されます。また、スポットシャドウディテールが「極」の場合、この設定を「有効」にするとホーム画面のフレームレートが約20%低下します。
この設定は「無効」を推奨します。限定的に使用されており、一部でフレームレートが極端に低下するためです。
| 設定 | 減少率 | 推奨 |
|---|---|---|
| 無効 | 0% | ◎ |
| 有効 | -4% | – |
モデルディテール
モデルディテールは、オブジェクトおよびレジェンドの詳細度を調整します。主に、構造物、岩、木などの見栄えに影響を与えます。また、ゲーム内では「レジェンドの描写に影響する」と説明されていますが、こちらは変化を確認できませんでした。
この設定は、フレームレートが大幅に低下するため「低」を推奨します。ゲームの世界観を損ないたくない場合は「中」を選択してください。
| 設定 | 減少率 | 推奨 |
|---|---|---|
| 低 | 0% | ◎ |
| 中 | -1% | ◯ |
| 高 | -4% | – |
| 最高 | -9% | – |
マップ詳細
マップ詳細は、フィールドの装飾や演出の表示を調整します。主に、草、小岩、地面や壁の汚れなどの表示に影響します。パフォーマンスを向上させるため「低」を推奨します。
| 設定 | 減少率 | 推奨 |
|---|---|---|
| 低 | 0% | ◎ |
| 高 | -2% | – |
エフェクトディテール
エフェクトディテールは、爆発で発生するパーティクルの詳細度を調整します。この設定は見た目の変化を確認できないため「低」を推奨します。
| 設定 | 減少率 | 推奨 |
|---|---|---|
| 低 | 0% | ◎ |
| 中 | 0% | – |
| 高 | 0% | – |
衝撃マーク
衝撃マークは弾痕の表示を調整します。「なし」は非表示、「低」は壁と地面に対して表示、「高」はすべてのオブジェクトに対して表示されます。フレームレートに影響を与えないためお好みの設定にしてください。
| 設定 | 減少率 | 推奨 |
|---|---|---|
| なし | 0% | ◎ |
| 低 | 0% | ◯ |
| 高 | 0% | ◯ |
ラグドール
ラグドールは、倒されたレジェンドが画面上から消えるまでの表示時間に影響します。フレームレートに影響を与えないためお好みの設定にしてください。
| 設定 | 減少率 | 推奨 |
|---|---|---|
| 低 | 0% | ◎ |
| 中 | 0% | ◯ |
| 高 | 0% | ◯ |
結論
Apex Legendsは、「テクスチャストリーミング割り当て」を除くすべての設定を最小にしても、グラフィックの品質を保つことができます。ベンチマークテストの結果、このガイドの推奨設定を参考にすることで、最高設定と比較してフレームレートを約50%向上させることが確認できました。
PCのスペックに余裕があり、グラフィックやゲームの世界観を損ないたくない場合は、各プレイヤーの環境や好みに応じてガイドを参考にし、最適な設定を見つけてください。