Cooler Master MH752は、自作PCのパーツメーカーであるCooler Masterから発売されているゲーミング用ヘッドセットです。国内では流通量が少なく、あまりメジャーな存在ではありませんが欧米では非常に評価の高いヘッドセットとして知られています。
このヘッドセットはTakstarのモニターヘッドホンTakstar Pro82のライセンスを取得してゲーミング用に改良されたOEM製品です。Takstarは聞き慣れないメーカーですが、OEMをメイン事業にしている中国のオーディオメーカーでHyperX CloudシリーズもTakstar Pro80のOEM製品だったりします。
MH752は付け心地の素晴らしいヘッドセットなので、快適なヘッドセットを探しているなら参考にしていただければと思います。
製品仕様
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ヘッドホン
ドライバ | 400mm ネオジウム |
周波数特性 | 20-20,000Hz |
インピーダンス | 26Ω |
感度(@1KHz) | 97dB ± 3 dB |
ケーブル | 1.5m 3.5mmプラグ(脱着式) 1.5m USBケーブル(脱着式) |
コネクタ | 3.5mm 4極プラグ / USB Type A |
マイク
指向性 | 全指向性 |
周波数特性 | 100-10,000Hz |
感度 (@ 1kHz) | -42 ± 3dB |
SN比 | 55dB |
マイクタイプ | 脱着式フレキシブルマイク |
コントローラー
ボリュームコントロール | Up/Downボタン(コントロールボックス) |
マイクコントロール | Up/Downボタン、ミュートスイッチ |
バーチャル7.1サラウンドサウンド | On/Offボタン LEDインジケータ搭載 |
「Cooler Master MH752」を開封
同梱物
MH752はCooler Masterのロゴが印刷された高級感のある箱に入っています。同梱物は本体、マイク、7.1サラウンドサウンド、コネクタ類、持ち運び用のベロアポーチ、その他種類系です。
シンプルで洗練された設計
MH752はTakstar Pro82のデザインをそのまま踏襲しています。違う箇所はTakstarのロゴがCooler Masterのロゴに変更されてるぐらいです。ゲーミングヘッドセットらしくないモノトーンなデザインは、その名残といえます。
本体のベースはプラスチックで構成されており調整用スライダーはスチールが使用されています。イヤーパッドの中身は低反発フォーム、表面は柔らかいPUレザーで覆われています。マットなブラックを基調とした上品な外観で公共空間でも使える素晴らしいデザインです。
MH752の設計面で特に優れてる点は、マイクとケーブルが着脱式となっていることです。接続方式は3.5mmプラグインとUSBに対応しておりユーザー側の使用用途に合ったパーツを取り付けることで最適化できる設計になっています。マイクを使わないのであれば取り外して普通のヘッドホンにすることもできます。
残念な点としてはイヤーパッドの交換です。このイヤーパッドは一般的なゴム式ではなく、特殊なクリップ式になっています。要は代替品のイヤーパッドは装着できません。私が調べた範囲では交換用のイヤーパッドは、メーカーに問い合わせをして取り寄せるしかなさそうです。
低音の弱いスマートな音質
記事の書き始めに説明したようにMH752は、Takstar Pro82というモニターヘッドホンのOEM製品です。Takstar Pro82は低価格でハイクオリティな音だと音響関係者から評価の高いモニターヘッドホンで、サウンド面は最低限の品質が保たれていることを先に述べておきます。
肝心の音質ですが、無駄な味付けがされていないスマートな音です。周波数別の傾向は、高音域はシャープで若干シャリシャリ、中音域はクリアで滑らかだがボーカルの伸びが窮屈、低音はスッキリ系で弱いです。特に低音の弱さは顕著といえます。
個人的には、この音質を気に入ってます。高音や低音が強調されると聞き疲れの原因になるので、低音の弱いMH752は聞き疲れることがありません。ゲームやデスクワークなど長時間の使用でも聞き疲れすることがありません。
ゲームにおける定位置に関しては、同価格帯の他のゲーミングヘッドセットと同レベルといえるでしょう。定位置が正確なゲームであれば正確に反映されます。音の分離も素晴らしいので360度、左右前後、斜めの位置、僅かな足音、距離感も鮮明に聞こえます。
マイク音質
意外に良かったのがマイク音質ですね。これは予想外でした。全指向性のマイクですがノイズを抑えながら音声をきっちりと拾います。ヘッドセットの中ではかなりクリアです。そのままDiscordに繋げるだけで高音質な通話ができます。通話限定の使用であれば別途マイクを導入する必要はないでしょう。
バーチャル7.1サラウンドサウンド
USBサウンドカード方式のバーチャル7.1サラウンドはあまり期待できません。7.1サラウンドをOnにするとバックグラウンドにブーストが掛かり臨場感が増します。しかし、同時にリバーブが掛かるのでFPSでは足音が完全にぼやけてしまい定位置の把握ができなくなります。
このヘッドセットはシームレスな活用にも向いているので、RPGやアクションなど他ジャンルのゲーム、または映画など没入感を得たい時に利用するといいかもしれません。
完璧な付け心地
さて、数あるヘッドセットの中からMH752を選ぶ最大の理由が付け心地です。これは本当に最高です。密閉型のヘッドセットでありながら側圧を一切感じない完璧な付け心地は快適そのもの。まるで空気のような、軽やかな付け心地は非の付け所がありません。
本体重量は約250グラムでとても軽量です。低反発フォームが採用されたヘッド部分とイヤーパッドはふかふかしており頭部を優しく包み込むようにフィットします。サイズは10段階の調整が可能となっているので頭のサイズを問わず誰でもフィットするでしょう。
私はメガネを装着して使用していますが、長時間の使用でも耳や頭が痛くなることは一度もありませんでした。
シンプル設計のソフトウェア
Cooler Masterでは、COOLER MASTER MASTERPLUSというソフトウェアが用意されています。ソフトウェアにはイコライザーが搭載されているので5つの周波数、音量、マイク音声の調整を行うことができます。
標準で音楽向け、映画向け、ゲーム向けのサウンドエフェクトが搭載されています。ワンクリックで使用用途にあった音に切り替えることが可能です。勿論、自分好みの音を作ることもできます。
結論
Cooler Master MH752は、とても快適なヘッドセットです。日本国内の流通量が少ないので限られたショップでしか販売されてないことが残念で仕方ありません。まさに掘り出し物に近いゲーミングヘッドセットといえます。
私は、これまでSonyのモニターヘッドホンであるMDR-CD900STを使用してましたが、MDR-CD900STは側圧が強すぎて長時間の使用はできませんでした。音質がいいことに越したことはありませんが、長時間の使用を想定するなら付け心地を重視したいという人も多いでしょう。
MH752はその悩みを解決するにうってつけのヘッドセットです。付け心地に関してはストレスフリーであることを断言します。また、無駄な装飾が施されていない音質はニュートラルで耳馴染みがよく長時間の使用でも聞き疲れをおこしません。
1万円という価格ながら、音質、装着感、デザインの三拍子が揃ったコストパフォーマンスの高いヘッドセットです。ゲームだけでなく音楽や映画などでもシームレスに使えることも大きなポイントでしょう。何の問題もなくMH752はおすすめできる製品です。