ARC Raidersは、Unreal Engine 5で動作していますが、高性能な機能を使用していないため、ローエンドな環境でも問題なくプレイできます。ただし、グラフィック設定を最適化することで、より快適なゲーム体験を得ることができます。
このガイドでは、ARC Raidersのグラフィック設定の最適な設定について解説します。各設定のベンチマークと比較画像を用いて、フレームレートとグラフィックの両面からコストパフォーマンスに優れた推奨設定をご紹介します。
動作環境
| カテゴリ | 最小スペック | 推奨スペック |
|---|---|---|
| OS | Windows 10 or later 64-bit (latest update) | Windows 10 or later 64-bit (latest update) |
| CPU | Intel Core i5-6600K or AMD Ryzen R5 1600 processor | Intel Core i5-9600K or AMD Ryzen 5 3600 processor |
| メモリー | 12 GB RAM | 16 GB RAM |
| グラフィック | NVIDIA GeForce GTX 1050 Ti or AMD Radeon RX 580 | NVIDIA GeForce RTX 2070 or AMD Radeon RX 5700 XT |
| DirectX | Version 12 | Version 12 |
推奨設定
重要な設定は太字で表しています。
ディスプレイ
| 設定 | 推奨 |
|---|---|
| ウィンドウモード | ボーダーレスフルスクリーン |
| 表示解像度 | メインモニターの解像度 |
| NVIDIA DLSS / AMD FSR 3フレーム生成 | 無効 |
| 垂直同期 | 無効 |
| NVIDIA Reflex 低遅延モード | ON+ブースト |
| フレームレート上限 | 上限なし |
解像度スケールとアンチエイリアス
| 設定 | 推奨 |
|---|---|
| アップスケール後の解像度 | 100% |
| 解像度スケール方式 | NVIDIA DLSS / AMD FSR 3 |
| NVIDIA DLSS / AMD FSR 3 品質 | 品質またはバランス |
| NVIDIA DLSS モデル | トランスフォーマー |
| レンダリング解像度 | – |
グラフィックス
| 設定 | 推奨 |
|---|---|
| 視界 | 好み |
| モーションブラー | オフ |
レイトレーシング
| 設定 | 推奨 |
|---|---|
| NVIDIA RTX グローバル イルミネーション | スタティック |
品質
| 設定 | 推奨 |
|---|---|
| 全体的品質水準 | カスタム |
| 視界距離 | 中 |
| アンチエイリアス | 低 |
| シャドウ | 中 |
| ポストプロセス | 低 |
| テクスチャ | VRAMに合わせる |
| エフェクト | 低 |
| リフレクション | 中 |
| 植生 | 低 |
| グローバル・イルミネーション解像度 | 低 |
詳細設定
| 設定 | 推奨 |
|---|---|
| ゲーム内のパフォーマンスオーバーレイ | 好み |
その他
| 設定 | 推奨 |
|---|---|
| 待機時の省電力 | 有効 |
| 非アクティブ時の省電力 | 有効 |
NVIDIA DLSS / AMD FSR 3
フレーム生成
フレーム生成の有効/無効を選択します。
詳細
フレーム生成は、AIによって生成された疑似フレームを、実際のフレームの間に挿入することでフレームレートを向上させる機能です。有効にすることで、フレームレートが約2倍に向上しますが、その一方で入力遅延が発生します。
推奨設定:無効
対戦型PvPでは、フレーム生成(DLSS3 / FSR3)を無効にすることを強くおすすめします。
解像度スケール方式

アップスケーリングの方式を選択します。
詳細
アップスケーリングは、低解像度でレンダリングした映像を高解像度に変換し、画質を保ちながらパフォーマンスを向上できます。メリットはフレームレートの向上、デメリットはレンダリング解像度を下げすぎると映像がぼやけることです。
推奨:NVIDIA /AMD ともに「品質」または「バランス」
この設定は、ご使用のGPUがNVIDIA / AMDのどちらかによって推奨の方式が異なります。
NVIDIA GPU
方式: NVIDIA DLSS
品質: 「品質」または「バランス」
→ 画質とパフォーマンスの両方で最適な設定です。
モデル: 「トランスフォーマー」
→ 5%前後のパフォーマンスコストがかかりますが、鮮明度が向上します。
AMD GPU
方式: AMD FSR 3
品質: 「品質」または「バランス」
→ 画質とパフォーマンスの両方で最適な設定です。
レンダリング解像度を下げすぎると、ぼやけが強調され中〜遠距離の視認性が大きく低下します。この設定は、画質とパフォーマンスのバランスを考慮してください。
| 設定 | FPS | 向上 | 推奨 |
|---|---|---|---|
| AAなし | 45 | – | ◎ |
| 設定 | FPS | 向上 | 推奨 |
|---|---|---|---|
| オート | 54 | 13% | |
| マニュアル | 48 | – |
| 設定 | FPS | 向上 | 推奨 |
|---|---|---|---|
| オート | 51 | 19% | |
| マニュアル | 43 | – |
| 設定 | FPS | 向上 | 推奨 |
|---|---|---|---|
| 超パフォーマンス | 57 | 39% | – |
| パフォーマンス | 54 | 32% | – |
| バランス | 52 | 27% | ◯ |
| 品質 | 49 | 20% | ◎ |
| DLAA | 41 | – | – |
NVIDIA DLSS モデル
| 設定 | FPS | 増加率 | 推奨 |
|---|---|---|---|
| CNN | 55 | 6% | – |
| トランスフォーマー | 52 | – | ◎ |
| 設定 | FPS | 向上 | 推奨 |
|---|---|---|---|
| 超高パフォーマンス | 63 | 54% | – |
| パフォーマンス | 58 | 41% | – |
| バランス | 54 | 32% | ◯ |
| 品質 | 52 | 27% | ◎ |
| NATIVE AA | 41 | – | – |
| 設定 | FPS | 向上 | 推奨 |
|---|---|---|---|
| 超高パフォーマンス | 60 | 33% | – |
| パフォーマンス | 58 | 29% | – |
| バランス | 57 | 27% | – |
| 品質 | 55 | 22% | ◯ |
| 超高品質 | 53 | 18% | ◎ |
| ULTRA QUALITY PLUS | 50 | 11% | ◯ |
| アンチエイリアス | 45 | – | – |
レイトレーシング
NVIDIA グローバル イルミネーション

シーン内の間接光の表現を調整します。
詳細
光源からの直接光だけでなく、壁や床などに反射した光(間接光)を再現することで、シーンにより自然な明るさと奥行きを加えます。
推奨:スタティック
この設定はグラフィックとパフォーマンスに最も影響を与えます。
- スタティック:
事前計算による静的な間接光です。グラフィックは低下しますが、軽量かつ安定性があり対戦型PvPに最適です。 - ダイナミック:
リアルタイムによる動的な間接光です。グラフィックは大幅に向上しますが、処理負荷が高く、やや不安定です。また、PCのスペックによってはスタッタリング(カクつき)の原因になる場合があります。
| 設定 | FPS | 向上 | 推奨 |
|---|---|---|---|
| スタティック | 85 | 67% | ◎ |
| ダイナミック – 低 | 76 | 50% | – |
| ダイナミック – 中 | 74 | 45% | – |
| ダイナミック – 高 | 71 | 40% | – |
| ダイナミック – エピック | 51 | – | – |
グラフィック設定
視界距離

オブジェクトが描写される距離と、遠距離における詳細度を調整します。
詳細:
オブジェクト(木・葉・岩など)のテクスチャ品質と描写範囲に影響します。建物やプレイヤーの描写には影響しません。
推奨:中
この設定は、パフォーマンスでは「中」、グラフィックでは「高」をおすすめします。「低」は移動の度にポップイン(オブジェクトの読み込み)が頻発します。また、木々のテクスチャが低解像度になり没入感が低下します。一方、「エピック」はパフォーマンスに大きく影響を与えます。
| 設定 | FPS | 向上 | 推奨 |
|---|---|---|---|
| 低 | 57 | 14% | – |
| 中 | 56 | 12% | ◎ |
| 高 | 54 | 8% | ◯ |
| エピック | 50 | – | – |
アンチエイリアス


TAAUまたはTSRのアンチエイリアスの品質を調整します。
詳細:
オブジェクトの輪郭に発生するチラつきの品質に影響があります。この設定は、解像度スケール方式でTAAU / TSRを選択している場合に有効になります。その他のアップスケーリング方式では適用されません。
推奨:TAAU / TSRともに「低」
TAAU / TSRともに、設定による大きな差は見られないため「低」をおすすめします。
| 設定 | FPS | 向上 | 推奨 |
|---|---|---|---|
| 低 | 41 | – | ◎ |
| 中 | 41 | – | – |
| 高 | 41 | – | – |
| エピック | 41 | – | – |
| 設定 | FPS | 向上 | 推奨 |
|---|---|---|---|
| 低 | 39 | 3% | ◎ |
| 中 | 39 | 3% | – |
| 高 | 38 | – | – |
| エピック | 38 | – | – |
シャドウ

影の解像度・詳細度の品質を調整します。
詳細
オブジェクトの静的な影、プレイヤー・ARCの動的な影、霧などによる大気散乱の表示と品質に影響します。
推奨:中
影はプレイヤーの位置を把握できるため優位性を得られる設定です。比較画像のとおり「低」はプレイヤーの影が無効になり、「中」で有効になります。
| 設定 | FPS | 向上 | 推奨 |
|---|---|---|---|
| 低 | 56 | 8% | – |
| 中 | 54 | 4% | ◎ |
| 高 | 52 | – | – |
| エピック | 52 | – | – |
ポストプロセス

ポストプロセス効果(後処理)の品質を調整します。
詳細
設定によって以下のシェーダーが追加されます。
- 中:アンビエントオクルージョン(オブジェクトが隣接した際にできる影)
- 高:ブルーム(発光表現)、フレア(太陽光による空間の光量)
- エピック:全体の品質向上
推奨:低
パフォーマンスを重視する場合は「低」をおすすめします。ただし、オブジェクトの影が消えるため、映像の奥行きがなくなります。没入感を高めたい場合は「中」にしてください。「高」と「エピック」は太陽光が眩しすぎるためおすすめできません。
| 設定 | FPS | 向上 | 推奨 |
|---|---|---|---|
| 低 | 53 | 4% | ◎ |
| 中 | 53 | 4% | ◯ |
| 高 | 52 | 2% | – |
| エピック | 51 | – | – |
テクスチャ

テクスチャの解像度や異方性フィルタリングの品質を調整します。
詳細
厳密にはテクスチャストリーミングに使用されるVRAMの容量を制御します。これは、動的にテクスチャを読み込む仕組みであり、テクスチャの品質そのものには影響しません。
推奨:VRAMに合わせる
ご使用のVRAM容量によって推奨が異なります。ARC Raidersのグラフィック使用量は最大で7GB程度です。そのため、推奨要件(12GB)を満たしていれば、パフォーマンスへの影響はありません。
ご使用のVRAM容量より高い設定を選択すると、スタッタリング(カクつき)が発生します。以下を参考に適切に設定してください。
| 設定 | FPS | 向上 | 推奨 |
|---|---|---|---|
| 低 | 48 | – | 4GB VRAM以下 |
| 中 | 48 | – | 4GB VRAM以上 |
| 高 | 49 | – | 6GB VRAM以上 |
| エピック | 49 | – | 8GB VRAM以上 |
エフェクト


エフェクトの品質を調整します。
詳細
雲や地面、霧のエフェクトの品質に影響します。武器によるパーティクル、砂嵐や雨などの環境エフェクトには影響しません。
推奨:低
雲や地面の品質が変化しますが、通常のプレイで気づくことはありません。また、エリアによってパフォーマンスに差があるため、設定は「低」で問題ありません。
| 設定 | FPS | 向上 | 推奨 |
|---|---|---|---|
| 低 | 55 | 10% | ◎ |
| 中 | 55 | 10% | – |
| 高 | 54 | 8% | – |
| エピック | 50 | – | – |
リフレクション

反射エフェクトの品質を調整します。
詳細
水面や鏡面、金属などの光沢を持つオブジェクトの反射の品質に影響します。
推奨:中
パフォーマンスとグラフィックにおいて「中」が最適です。パフォーマンスは「低」と差がなく、グラフィックは「高」や「エピック」と大きな違いはありません。
| 設定 | FPS | 向上 | 推奨 |
|---|---|---|---|
| 低 | 51 | 4% | – |
| 中 | 50 | 2% | ◎ |
| 高 | 50 | 2% | – |
| エピック | 49 | – | – |
植生

マップ上の植生の密度を調整します。
詳細
雑草や小岩の密度が変化します。体を隠せる大きな茂みには影響しません。
推奨:低
設定を下げることで、雑草が減少します。植物の多いエリアでは、視界が開けてステージ全体を見やすくなります。
| 設定 | FPS | 向上 | 推奨 |
|---|---|---|---|
| 低 | 52 | 4% | ◎ |
| 中 | 51 | 2% | – |
| 高 | 51 | 2% | – |
| エピック | 50 | – | – |
グローバル・イルミネーション解像度

間接光(SSGI)の解像度を調整します。
詳細:
間接光のノイズが減り、影の輪郭がなめらかになります。
推奨:低
設定による変化はごくわずかなため、通常のプレイで気づくことはありません。また、エリアによってパフォーマンスに差があり、やや不安定です。
| 設定 | FPS | 向上 | 推奨 |
|---|---|---|---|
| 低 | 57 | 6% | ◎ |
| 中 | 56 | 4% | – |
| 高 | 55 | 2% | – |
| エピック | 54 | – | – |
結論:最適化前後の比較


最適化の結果、平均フレームレートは 49fps から 139fps へ向上し、約 184% のパフォーマンス改善を確認できました。
パフォーマンス面でボトルネックになっているのは NVIDIA グローバルイルミネーション です。この設定を「スタティック」に変更するだけで、フレームレートは大幅に向上します。
また、エフェクト および グローバルイルミネーション解像度は、負荷の大きさに対して視覚的な変化に乏しいため「低」にすることをおすすめします。その他の設定は、「エピック」を避ければパフォーマンスへの影響は軽微なため、好みに応じて調整してください。

