Improveclarity Off Exa

VALORANT:グラフィック設定の最適化ガイド

『VALORANT』などの競技性の高いゲームでは、高フレームレートと低遅延の環境を整えることが重要です。特にタクティカルシューターゲームでは、精密なエイムやシビアな反応速度が求められます。そのため、ビデオ設定の最適化を行い、ゲームの軽量化と安定性の向上がパフォーマンスを高める最善の方法です。

このガイドでは、『VALORANT』のパフォーマンスを向上させるためのビデオ設定について解説します。各設定の詳細、グラフィックの変化、ベンチマークテストの結果を基に、最適な推奨設定をご紹介します。

動作環境

30 fps60 fps144 fps以上
OSWindows 10(ビルド19041以降)64-bit
Windows 11 64-bit
Windows 10(ビルド19041以降)64-bit
Windows 11 64-bit
Windows 10(ビルド19041以降)64-bit
Windows 11 64-bit
CPUIntel Core 2 Duo E8400 (Intel), Athlon 200GE (AMD)Intel i3-4150 (Intel), Ryzen 3 1200 (AMD)Intel i5-9400F 2.90GHz (Intel), Ryzen 5 2600X (AMD)
GPUIntel HD 4000, Radeon R5 200Geforce GT 730, Radeon R7 240GTX 1050 Ti, Radeon R7 370
RAM4GB4GB4GB
VRAM1GB1GB1GB
ストレージ20GB20GB20GB

推奨設定

設定推奨
マルチスレッドレンダリングオン
マテリアル
テクスチャー
ディテール
UI
ビネットオフ
VSyncオフ
アンチエイリアスなし / MSAA
異方性フィルタリング1x / 8x
明瞭度を上げるオフ
「ベータ」シャープネスの動的補正オフ
ブルームオフ
ディストーションオフ
キャストシャドウオフ

グラフィック設定

VALORANTは、マップによってフレームレートに大きな差があります。そのため、ベンチマークテストでは、アイスボックス、アセント、ヘイブンで測定を行い、それぞれのマップで測定したFPSの平均値を割り出しています。

以下の条件で測定

  • マップ:アイスボックス、アセント、ヘイブン
  • 測定場所:マップのAサイト、Bサイト、Cサイトの定位置
  • フレームレート:3マップの平均値

マルチスレッドレンダリング

マルチスレッドレンダリングは、マルチコアCPUの複数のスレッドを使用してレンダリングを並列処理できるようになります。これにより、ゲームのパフォーマンスが大幅に向上します。この設定は、Riot Games も推奨しているため、必ず「オン」にしてください。

※CPUのコア数が少ない場合、この設定項目は表示されません。

設定FPS減少率推奨
オフ349-15%
オン4100%

マテリアル

マテリアルは、ゲーム内のグラフィック全般の品質を調整します。設定レベルに応じてグラフィックが向上しますが、フレームレートが大幅に低下するため「低」を推奨します。

設定FPS減少率推奨
4710%
421-11%
401-15%

テクスチャー

テクスチャは、テクスチャストリーミング(プレイヤーの視点に必要なテクスチャを動的にロードする仕組み)に使用するVRAMの容量を設定します。これにより、VRAMを効率的に使用しながら、テクスチャの品質を保つことができます。

この設定は、VRAMに十分な容量がある場合は何も変わりません。容量が少ない場合は、一部のテクスチャを低解像度およびロードしないことでパフォーマンスを維持します。

設定FPS減少率推奨
4090%
4090%
4080%

ディテール

ディテールは、マップの細かな装飾や演出を調整します。主に、草木、岩、雪、がれき、壁面の汚れ、木漏れ日などの表示に影響を与えます。マップの忠実度を向上させますが、それと引き換えにフレームレートが大幅に低下するため「低」を推奨します。

設定FPS減少率推奨
4630%
437-6%
408-12%

UI

UIは、HUB、設定メニュー、武器購入メニューの背景の透過度を調整します。通常時はフレームレートに影響しませんが、設定メニューと武器購入メニューでは大幅に低下します。ゲームプレイに直接影響するわけではありませんが、フレームレートを安定させるため「低」を推奨します。

設定FPS減少率推奨
4160%
413-1%
413-1%

ビネット

ビネットは、画面の上下を暗くするエフェクトを追加します。フレームレートに影響しませんが、画面をクリアに保つため「オフ」を推奨します。

設定FPS減少率推奨
オフ4130%
オン4140%

VSync

VSync(垂直同期)は、スタッタリングおよび入力遅延の原因になるため、ティアリングが発生している場合を除いて「オフ」にしてください。

設定FPS減少率推奨
オフ
オン

アンチエイリアス

アンチエイリアスは、オブジェクトの輪郭にできるジャギー(ギザギザ)を補正する機能です。

MSAAとFXAAの特徴

  • MSAA:ジャギーを綺麗に補正しますが、負荷が高いです。
  • FXAA:処理が速く、負荷は低いですが、ぼやけとモーションブラー(残像)が発生します。

この設定は、環境や好みによりますが「オフ」か「MSAA」を選んでください。フレームレートを重視するなら「オフ」、ジャギーを抑えたいなら「MSAA」がおすすめです。FXAAは欠点が致命的なので、使用は控えてください。

設定FPS減少率推奨
オフ4200%
MSAA 2x366-13%
MSAA 4x352-16%
FXAA404-4%

異方性フィルタリング

異方性フィルタリングは、遠くの地面や壁面など、プレイヤーの視点から斜めに映るテクスチャの鮮明度を調整します。

この設定は検証したすべてのマップで、1xと2xのフレームレート差が最も顕著です。また、8xと16xのグラフィック差は目視ではわかりません。フレームレートを重視するなら「1x」、グラフィックを重視するなら「8x」が最適です。

設定FPS減少率推奨
1x4410%
2x420-5%
4x408-7%
8x406-8%
16x403-9%

明瞭度を上げる

明瞭度を上げるは、映像の中間調(明るい部分と暗い部分の中間)のコントラストを上げます。これにより、多くの色味を変えることなく、映像に立体感と奥行きをもたらします。

変化量はわずかですが、彩度を上げるデジタルバイブランスとは異なり、中間調のみを強調して映像にメリハリをもたらすため目に優しいというメリットがあります。一部のプロゲーマーが、この設定を有効にしているのはそれが理由です。

この設定は、フレームレートが著しく低下するため「オフ」を推奨します。しかし、フレームレートに余裕がある場合やデジタルバイブランスが苦手な場合は有用なオプションです。

設定FPS減少率推奨
オフ4660%
オン405-13%

「ベータ」シャープネスの動的補正

「ベータ」シャープネスの動的補正は、シャープネス(オブジェクトの輪郭を強調する処理)の度合いを場面に応じて自動的に補正する機能です。

シャープネスの設定は、モニターやNVIDIAコントロールパネルでも行うことができますが、これらは固定値のため場面を問わず一定のシャープネスが適用されます。一方、動的補正は、シャープネスを場面に応じて最適化します。

魅力的なオプションですが、フレームレートが大幅に低下するため「オフ」を推奨します。フレームレートに余裕がある場合は、有効にすることで視認性が安定します。

設定FPS減少率推奨
オフ4650%
オン405-13%

ブルーム

ブルームは、一部のエージェントスキルや武器スキンに発光表現を追加します。通常時はフレームレートに影響しませんが、スキル発動時はやや影響があります。基本的に「オフ」をおすすめしますが、グラフィックを向上させたいなら「オン」にしてください。

設定FPS減少率推奨
オフ4210%
オン418-1%

ディストーション

ディストーションは、爆発やオーブ、または一部のエージェントスキルにゆがみのエフェクトを追加します。

この設定による変化が最もわかりやすいのはスナイパースコープの周囲です。しかし、画像を比較してもわずかな変化です。通常時はフレームレートに影響しませんが、スコープを覗いてる最中は20〜30fpsのコストがかかります。利点が全くないため「低」にしてください。

設定FPS減少率推奨
オフ4440%
オン4450%

キャストシャドウ

キャストシャドウは、一人称視点の手と武器に影を投影します。わずかに影が付いて、フレームレートが低下するだけです。利点がないため「オフ」を推奨します。

設定FPS減少率推奨
オフ4200%
オン414-1%

結論

VALORANTは、とても軽量に設計されているため、安定的にフレームレートが出ます。ほとんどの設定は必要性が低いため無効および最小にすることを推奨しますが、フレームレートが十分に出ている環境であれば、重要な設定は有効にしてください。また、「明瞭度を上げる」「「ベータ」シャープネスの動的補正」など、有用なオプションを追加しても問題ありません。

プレイヤーの環境はそれぞれ異なります。このガイドを参考にして、みなさんに合った最適な設定を見つけてください。